弦の響きには幾何学があり、天空の配置には音楽がある
ピタゴラス
MESSAGE
AMANEのベースにあるのは「幾何学」の世界。 古代ギリシャの哲学者であり数学者として幾何学の基礎を築いたピタゴラスは、 鍛冶屋がハンマーで金属を叩く音をヒントに「ドレミファソラシド」の元となる 世界最初の音階を作り出したと言われています。 やがて調和のとれた音、形、色には数的な関係性が存在することを突き止めた彼は、 「万物の本質は数である」と後世に残る主張を展開しました。 その思想は、約1.618:1の黄金比に代表されるように現代の芸術や建築にも通じています。
図形や空間の真理を追求する幾何学と音楽は、数の法則によってつながっている。 音楽もデザインも、誰もが美しいと思えるものには数学的な根拠があり、 同時に、組み合わせや配列の違いで多様な広がりを持たせることもできる。 そう考えると、タイルの可能性を切り開いていくこのAMANEブランドが 「音楽」をテーマに据えることは、最も自然で腹落ちするアイデアでした。
そして、このプロジェクトが掲げる重要な使命が「職人の地位向上」です。 現在のタイル業界は、建築会社や設計事務所ありきの完全受注スタイル。 工業品としての画一的で均質なタイルを、いかに効率よく、安くつくるか。 求められるまま競い合い、仲間同士で体力を奪い合う構造が常態化しています。 能動的に未来を描き、変わるべき時が来ています。 職人が培ってきた技術や知識には、自分でも気づいていない価値がある。 それらを持ち寄り、発揮し、自由に提案できる場があれば タイル業界は、より面白く、多様性に富んだ道を切り開いていける。 願わくば、この手に握りしめたAMANEの一片が、 100年後のタイル文化にとって大きな意味をもつと信じて。
白石 普
AMANEは「革新性」をテーマに持ち、主に商業スペースに合う商品が揃っています。ファッションという切り口でタイルという素材を捉え直し、楽しんで空間に合う素材選びができるブランドを目指しています。