犬と生活する上で重要視されるのは「滑りにくさ」です。ペット対応タイルは滑りにくく大切な愛犬のケガを予防し、足腰の負担を軽減することができます。
かつては番犬として屋外で飼育するのが一般的でしたが、昨今は室内飼いが主流となり「全国犬猫飼育実態調査」によると、約9割の家庭が室内で犬を飼育していると言われています(2024年 一般社団法人 ペットフード協会調べ)。
日本建築学会 構造論文集 第73巻・第78巻内「ペットの安全性からみた床のすべり評価方法」によると室内飼育の飼い主は、衛生管理や清掃のしやすさを第一に考える傾向があり、ペットにとっては”滑りやすい床”になってしまう例が多数見受けられる、とのことでした。骨が細く足腰が弱い特性を持つ室内飼育で人気の小型犬は特に、膝や股関節への負担が大きく、転倒や骨折などの怪我の原因となる危険性があります。これらを防ぐためには、滑りに配慮した床など飼育環境を見直すことが重要です。
リビエラでは、これまでドイツ規格によるすべり抵抗評価(DIN51130)のR10以上をペット対応商品としていました。ヨーロッパでは同規格を採用しており、公共事業ではR10以上の使用が義務付けられています。
ただ近年家族の一員であるペットのために住宅にもこだわりたいというお客様が増えており、当社にも評価基準のお問合せがありました。これをきっかけに、小型犬に特化した滑り抵抗値「C.S.R・D’」を導入することにいたしました。
※公式サイト上ではCSR・D’値の試験結果に基づいたペットアイコンを導入していますが、現在のカタログでは旧仕様のR10以上の屋内床用タイルにペットアイコンが付いています。今後のカタログ発刊に合わせて順次CSR・D’値に対応したアイコンに切り替えてまいりますのでご了承のほどお願いいたします。
「C.S.R・D’値」は「Coefficient of Slip Resistance・Dog’」の略で、ペット(犬)の安全性からみた床の滑りやすさを評価する指標です。C.S.R・D’の数値が大きいほど滑りにくいことを表しています。リビエラでは当社が基準値として設定した0.394以上をクリアしたタイルをペット対応としておすすめしています。この基準は、動作「走り出し (小走り)」を84.1%の確率で支障なく行えるという数値に基づいています。
※小型犬の歩行に対して配慮した測定値であり保障するものではありません。
※個体差や足裏の汚れ・肉球の環境などでも変わります。
左) 携帯型すべり試験機 (ONO・PPSM)、右)犬の肉球を想定した滑り片
【試験方法】
1.犬の肉球を想定した発泡ゴムシートと麻織物をすべり片として携帯型滑り試験機に装着。
2.小型犬を想定した5kgの重錘を乗せ、測定するタイルの上で回転ハンドルをまわし引っ張った時に得られる引張荷重を測定。荷重の最大値を求め、参考文献*に記載された数式に従って、すべり抵抗係数を算出。
3.測定は接触面を変え2回実施し、その平均値を評価指数とする。
(東京科学大学(旧東京工業大学) 横山 教授の論文を参考に実施しています)
*参考文献
「携帯型床のすべり試験機(ONO・PPSM)の開発/小野 英哲」
出典:日本建築学会構造系論文集 第585号, 51-16, 2004年11月
「小型犬の動作に必要な床の滑り抵抗の提示 ペットの安全性からみた床のすべりの評価方法その1/横山 裕、横井 健、小川 彗、小野 英哲」
出典:日本建築学会構造系論文集 第73巻 第624号, 189-196, 2008年2月
「小型犬の動作に必要な床の滑り抵抗の提示 ペットの安全性からみた床のすべりの評価方法その2/横山 裕、佐藤 晋哉、横井 健」
出典:日本建築学会構造系論文集 第78巻 第690号, 1359-1365, 2013年8月
シリーズ名 | すべり値(C.S.R-D’) |
ブレンディッド内用 | 0.596 |
Vストーン外用 | 0.585 |
ヴァルス外用 | 0.561 |
ボルゴーニャ | 0.555 |
ヌーン内用 | 0.522 |
アルケティポ | 0.505 |
ブリックレーン マット内用 | 0.502 |
アフロモジア内用 | 0.493 |
オークン内用 | 0.493 |
ティポス マット | 0.493 |
ハイパー | 0.489 |
アルピ内用 | 0.481 |
ネーム | 0.478 |
ウォーターフォール内用 | 0.452 |
コキーユ内用 | 0.450 |
ハイブリッド内用 | 0.449 |
マスタープラン | 0.442 |
ポルフィリカ | 0.440 |
シナイ | 0.435 |
プライマル内用 | 0.434 |
サンダー内用 | 0.432 |
ヴァルス内用 | 0.425 |
リミックス | 0.421 |
パプリカ | 0.420 |
ドルセット ベインカット | 0.419 |
フラメンタ内用 | 0.417 |
ネイティブ内用 | 0.417 |
フォレスト ディ イタリア内用 | 0.413 |
デザインインダストリー ローシリーズ | 0.408 |
ジュルパ内用 | 0.404 |
ドルセット クロスカット | 0.404 |
エタニティ | 0.400 |
ピュアストーン内用 | 0.396 |
チターノ内用 | 0.396 |
【小型犬の動作に必要な床のすべり抵抗係数の下限値】
リビエラが基準とする「C.S.R-D’ 0.394」は走り出し(小走り)の動作が84.1%の確率で支障なく行える数値に基づいています。
動作 | 確率 | C.S.R-D’ |
走り出し (飛び出し) |
50.0% | 0.525 |
84.1% | 0.575 | |
97.7% | 0.625 | |
99.9% | 0.676 | |
走り出し (小走り) |
50.0% | 0.297 |
84.1% | 0.394 | |
97.7% | 0.490 | |
99.9% | 0.587 | |
歩き出し |
50.0% | 0.218 |
84.1% | 0.311 | |
97.7% | 0.404 | |
99.9% | 0.497 | |
回り込み |
50.0% | 0.293 |
84.1% | 0.390 | |
97.7% | 0.488 | |
99.9% | 0.585 |
※ご注意
ペット(犬)の歩行に対して配慮した数値であり、全く滑らないわけではありません。ダッシュ時、スピンやターンをする際は滑ることがあります。個体差や足裏の汚れ・肉球の環境などでも変わります。事前にサンプルをご確認ください。
リビングやテラス、ペットスペースやトイレ設置場所など、愛犬の生活スペースにおすすめです。
屋内で飼育される犬と猫では、日常動作の特性や体の柔軟さ等の観点から犬の方が滑りやすく怪我をしやすいとされています。滑りやすい床では、小型犬は小回りなどの激しい動作時に関節に負担がかかり、大型犬は体重を支えるのが困難で立位で静止しているだけで滑る可能性があります。また、前後方向だけでなく横方向に滑る場合もあり、滑りによる骨折、関節が外れるなど深刻な怪我も多くなっており、具体的には以下の症例があげられます。
参照:日本建築学会構造系論文集 第73巻・第78巻「ペットの安全性からみた床のすべり評価方法」より
中近東の岩石、バーガンディストーン、ライムストーン、クオーツサイトなど様々な原産地と特長を持つ石からインスパイアされた「ブレンディッド」。洗練された色の濃淡やテクスチャが絶妙なバランスで重なり合い、ナチュラルでありながらエスプリがきいたシリーズです。岩・石・砂を独自の方法で組み合わせたモダンで流れるような脈模様がデザインの選択肢を広げます。
美しく仄かな石の流れ目を表現した「ハイブリッド」。
落ち着いた色合いと表情は、空間をよりエレガントで印象的なものにすることができます。
タイルのボディと表面は、より緻密に柄合わせされており、小口が露わになる箇所でも違和感はありません。
ロンドンのイーストエンドにある街・ブリックレーン。
かつてレンガ産業が盛んであったこの地は、今や時代の先端をいくファッショナブルな街として脚光を浴びています。「ブリックレーン」のセメントとブリックを掛け合わせたような色調・色ムラは、この街並みを表現、クラシックからモダンなテイストまで幅広くマッチできるよう仕上げられています。